2017年1月17日火曜日

TKUサイエンスツアー 国立極地研究所見学

「地球の科学」ほか担当の新正です。

東経大では2011年度から「サイエンスツアー」で野外や様々な研究施設等を訪ねてきました。今年度からは、近隣の施設を尋ねようということで、2016年度第2回のツアーとして1月13日の午後に立川にある国立極地研究所に出かけてきました。

多摩モノレールの高松駅から歩いて極地研に向かいます。

到着後まず2班に分かれて、研究室を訪れます。一つは隕石関係の部署です。なぜ極地研究所で隕石なのか?実は南極では沢山の隕石が採取されており、それが極地研にアーカイブされています。南極の氷床で隕石が見つかる理由の解説をいただいた後、様々な種類の隕石(火星隕石や月隕石を含む)を実際手にとって見学しました(もちろん袋の上からです)。

もう一つはSHRIMP(高感度高分解能イオンマイクロプローブ)ラボラトリーです。日本に4台しかないマシンの2台がここにあります。これは、数ミクロンから30ミクロン径の一次イオンビームをプローブ(探り針)として試料に照射し発生した2次イオンを質量分析するというものです。特に地球科学に大きな影響を与えたのは、鉱物一粒一粒の微少領域からその形成年代を求めることができるようになったことで、地球で一番古い鉱物、一番古い岩石などがSHRIMPで決定されたこと、また極地研のSHRIMPで日本で一番古い鉱物粒子の発見(pdf)がなされた一方、世界で一番若い花コウ岩の研究も行っている旨紹介がありました。また共同利用機関として外部からの研究を受け入れていることも説明されました。

南極・北極科学館の外には犬の像が。
最初の越冬での犬ぞりの意義を科学館での
説明で伺いました。
これらラボ見学の後は併設の南極・北極科学館を簡単な概要説明を受けたのち思い思いに見学しました。

終了後立川まで移動して解散。お疲れ様でした。

人文・社会科学系の学部に所属する学生にとって、科学の成果を知ることも大切ですが、研究の現場を見ることが、より貴重な経験になるものと考えます。その点で今回ラボ見学をして現場の研究者から丁寧にお話を聞けたことは意義深かったと思います。

見学にさいしては広報室の宮下様、両ラボの今栄先生、堀江先生に大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。

参考
TKUサイエンスツアー「音を科学する」リオン株式会社見学(2016年7月14日)
TKUサイエンスカフェ「ブラックホール、ビッグバン、そして次元 ~人に話したくなる宇宙のおはなし~」(2016年6月23日)
TKUサイエンスカフェ「コスモスを秋桜と書く理由、秋桜が春に咲く理由」(2016年11月10日)