2016年4月25日月曜日

【学問のミカタ】春の星座

 「自然の構造」他担当で、天文学が専門の榎です。今回は星座の話です。星座とは、もともとは、夜空の見かけの星々の配置から連想される人や動物などの様々な事物のことを意味します(なお、現代天文学では星座は別の意味を持っています)。地球は約1年の周期で太陽の周りを公転しているので、季節によって夜空に見える星座は異なります。春に見える代表的な星座としては、うしかい座、おとめ座、しし座、おおぐま座、こぐま座が挙げられます。おおぐま座は北斗七星を含み、こぐま座は北極星を含みます。

2016年4月27日22時の東京の夜空 南の空に木星、火星、土星が見えます。
 「つるちゃんのプラネタリウム」を使って作成


 「おとめ座やしし座がなぜ春の星座?」と思った方もいるかもしれません。星占いの生まれ月では、しし座は8月ごろ、おとめ座は9月ごろですから。これら生まれ月の星座は、黄道十二星座と呼ばれます。これは、天球面上を太陽が見かけ上移動する軌跡である黄道上にある13の星座のうちの12の星座のことを指します。「X月生まれはY座」というのは、「X月に太陽と同じ方向にあるのがY座」、というのが「本来」の意味です。ですから、その月の星座は太陽の方向にあるので、夜は方向が違いますし、昼は太陽の光が明るすぎますので、いずれもその月に見ることはできません。この十二星座が決められたのは古代メソポタミアのころと考えられています。ただし、地球の自転運動の歳差という自然現象が原因で、星座の見える位置や時期は、古代と現在ではズレていることに注意が必要です。

 さて、おとめ座には明るい1等星のスピカがあります。スピカは、地球から250光年くらいの距離にある恒星で、我々の住む太陽系と同じく天の川銀河という恒星の大集団の内部にあります。おとめ座のある天域には、1300個以上もの銀河の巨大な集団である「おとめ座銀河団」があります。このおとめ座銀河団は、スピカや太陽系がある天の川銀河の外側のはるかずっと遠く、6000万光年のかなたに存在します。銀河団は、宇宙で最大規模の構造の一つですが、肉眼で見ることはできません。夜空をありのままに眺めても、真っ暗で何も無いように見えるかもしれませんが、実際は肉眼では見ることができない様々な構造が隠れています。何事でも同じですが、ありのままを見るだけでは本当のことは分からないのです。


 【学問のミカタ】 4月のテーマ「春」
 ・経済学部ブログ 「誕生月と成績との関係とは!?
 ・経営学部ブログ 「春に売れるものって何?
 ・コミュニケーション学部ブログ 「春をつかまえる
 ・現代法学部ブログ 「住民と市民 -『春』によせて-

2016年4月11日月曜日

ミネラルショーに今年も出展

「地球の科学」ほか担当の新正です。

先週末の4月3日、ゼミ生有志ととともに大宮ソニックシティーで行われた埼玉ミネラルショーに昨年度に引き続き出展してきました。

石の展示、即売などを行うショーは近年拡がりを見せており、各地でとり行われています。自然に興味のある人から、綺麗なモノ好きの人まで老若男女が集まるのが特長です。

埼玉のショーではアマチュアゾーンが設けられており、非営利の団体も出展することができます。そこで昨年よりゼミ活動の一環として参加させていただいています。

お道具類を準備中
今年度は、ビスマスの融解実験の演示とビスマス結晶のかけらを用いたレジンクラフトを組み合わせた実演系の展示を行いました。昨年12月に図書館ブラウジングスペースで行った「ビスマスカフェ」を1テーブルに集約できるようにコンパクト化しました。

ビスマスは低融点(271.3℃)金属のため、電熱器で簡単に溶融して結晶成長させることができます。見物客の求めに応じて学生が溶かして見せます。見ていた子どもたちは、結晶ができるところより、金属が溶ける様子の方が不思議そうでした。

レジンクラフトには多くの方が参加してくださり、学生の指導のもとに思い思いの作品を作りました。昼頃にはお客さんが絶えず、かなり繁盛したので、昼食のタイミングを逸するほど。東経大の卒業生ですよ、と声をかけてくださった方もいました。

商売繁盛中
今回は学生手作りのアンケートも行い、30名近くの回答を得ました。企画の改善につなげようと、現在学生が集約を行っています。

閉店近くに立ち寄ってくださったゼミ卒業生の方も交えてお茶して散会。企画・運営してくれたゼミ生を中心に2016年度のゼミもまもなく始まります。


ミネラルショーに出展(2015年3月29日)
図書部&TKUサイエンス「ビスマスカフェ」(2015年11月26日)