2016年3月21日月曜日

第22回大学教育研究フォーラムでのポスター発表

「大学教育の最新動向や知見に関する情報交換や交流の場」である、大学教育研究フォーラムで、「図書部」「TKUサイエンス」の取り組みを広報すべく、ポスターセッションで参加してきました。

当日は快晴!
東経大の教育改革支援制度からの援助を受けて、「図書部」は3年間、「サイエンス」は5年間にわたり活動を行ってきました。援助が切れる機会にこれまでの活動を取りまとめて総括し、かつ対外的に取り組みを報告すべきと思い、全国から大学・高等教育関係者が多数集まるこのフォーラムでの報告を選択しました。

フォーラムは3月17日、18日の両日京都大学で開催されました。ポスターセッションは17日の午前に時計台の2階の国際交流ホールで開かれ、約60件の報告が行われました。

「図書部」は、相澤・東経大図書部による、「読書習慣のない学生に向けた読書指導 東経大図書部の試み」と題して、「サイエンス」は新正・榎・大久保・阿部による「サイエンスカフェ・ツアーを組み合わせた社会科学系学部生への自然科学教育振興」と題して報告を行いました。

朝一で最初は人が少なかったものの、徐々に会場は賑わい、様々な方が声をかけてくださいました。また、「図書部」のポスターでは「図書部だより」のバックナンバー配布も行っており、観覧者にお持ち帰りいただきました。

筆頭著者の他に2015年度サイエンス部長の阿部先生も説明に加わってくださり、同じくフォーラムに参加された久川先生にも見守っていただきました。

ポスターの様子。お隣は大学ランキングで知られる
上海交通大学の研究者による報告でした。
昨今、大学教育の改革・改善については盛んに情報交換が行われており、このようなフォーラムへの参加は意義が大きいものと考えています。いただいた意見をもとに今後の活動の方向性を考えて行きたいと思います。「地球の科学」ほか担当の新正が記しました。

図書館総合展でのポスター発表(2015年11月10〜12日)

2016年3月11日金曜日

【学問のミカタ】 卒業

 「教職論」、「教育方法」ほか担当の高井良健一(たかいらけんいち)です。3月といえば、卒業の季節ですね。「卒業」といえば、テーマ曲であるサイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」の響きが記憶に残る映画を思い出します。ダスティン・ホフマン演じる主人公ベンジャミンが、別の男性と今まさに結婚の誓いをしようとしている愛するエレーンに、「ちょっと待った!」の蛮勇をふるい、二人で教会を飛び出したあのシーンは、実に印象的です。あのあと、二人の若者がどのような未来を築いていったのかは、とても気になるところです。ただ、「卒業」は、1967年の作品ですから、若かった二人も、今はもう70歳を過ぎているわけですね。

 ところで、映画の「卒業」まではいかないとしても、卒業というイベントが誰もが多かれ少なかれ何かの決断を迫られるイニシエーション(通過儀礼)であるというのは、今も昔も変わらないといえるでしょう。しかしながら、今は通過儀礼のありかたが以前よりもずっと多様になっています。1970年代には「22歳の別れ」や「いちご白書をもう一度」といったフォークソングが流行りました。これらのフォークソングの歌詞には、結婚や就職が青春との訣別を伴うものであった時代の様相が映し出されています。これに対して、21世紀の先進国では、大人になるのはより緩やかなプロセスとなっており、多くの若者が一人前として落ち着くのは30歳前後になっているようです。日本も例外ではありませんが、時代の変化に社会システムが追いついておらず、20代の若者の居場所とケアが課題となっています。私の研究室にも時折、卒業生がふらっと訪れますが、卒業したあとも、安心して立ち寄れる場所は、誰にとっても必要な場所なのかもしれません。

 最近、11年間、教員採用試験を受験し、ことごとく不採用となった卒業生が、12回目の挑戦でついに合格したという嬉しいニュースを手土産に訪ねてきました。彼は、大学を卒業してから専任の仕事に就くまで、人一倍長い道のりを歩んだわけですが、この長かった「卒業」のプロセスが、このあとの人生の力強い根っこになるように思います。この国分寺のキャンパスが、一人ひとりの学生が自分らしい「卒業」の物語を紡ぎ出せるような場所であれたら、嬉しいなと思っています。