2014年12月3日水曜日

国際子ども図書館見学ツアー



倫理学とフランス語担当の相澤伸依です。図書部の一員として、12月3日に行われた図書部・図書館共催イベント「国立国会図書館 国際子ども図書館見学ツアー」に参加しました。今回は、このツアーの様子をレポートしたいと思います。




国際子ども図書館は、2000年に開館した、国立の児童書専門の図書館です。絵本を始めとする児童書の収集、保存、提供を行い、子どもの読書を支援する役割を担っています。「国際」と付くように、日本国内はもちろんのこと、海外の児童書も広く収集しています。

快晴の昼下がり、上野駅前に学生5名と教職員4名の参加者が集合。10分ほど上野公園内を歩いて、子ども図書館に到着しました。建物を一目見て、参加者みんな歓声を上げました。この図書館は、明治期の洋風建築を改修した、とても素敵な建物なのです(1906年/明治39年に帝国図書館として建築、1929年/昭和4年に増築)。館内も明治の建築をそのまま活かした内装となっていて、とてもおしゃれ。ガイドツアーでは、図書館本来の役割とともに、館内の建物としての見所も解説していただきました。

扉も階段も素敵です。
改修前は外壁だった壁。










閲覧スペースは天井の高い
三階建て、書庫スペースは
収容量を増やすために7階
建て構造になっています。
三階建ての館内は、一階が子どもが児童書を閲覧し、気軽に本と親しむためのスペース、二階は研究・調査のための資料室、三階はテーマを設定し児童書の展示を行うミュージアムとなっていました。

盛りだくさんのツアーの中から、興味深かったことを一つご紹介します。一階の子どもを対象とする閲覧室では、二種類の配架方法が取られていました。文字の多い読み物は作家名順に並べる一方、絵本は絵を描いた人の名前順に並べているとのこと。なぜか? 絵本を読んだとき子どもの印象に残るのは当然絵です。そこで、お気に入りの絵が添えられた本が探しやすいように、絵を描いた人名順を採用しているとのことでした。この他にも展示の仕方や情報提供の仕方など、本を探す子どもや親が手に取りやすいよう、様々な工夫がされており、図書部の活動のヒントをもらうことができました。

引き戸が一般的だった
明治時代。押して開ける
この扉には「おすとあく」と
わざわざ書いてあります。
一時間のツアーを通して、参加者は子ども図書館の魅力を知ることができました。素敵な建物で絵本を眺めているだけで、一日過ごせそうです。上野に出かける機会があったら、ぜひ足を伸ばしてみることをお勧めします。

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