2014年12月27日土曜日

宮沢賢治とふしぎな石展

本学・堺憲一学長の支援のもと活動しているプロジェクト「図書部」と「TKUサイエンス」は、新正研究室の協力の下、「宮沢賢治とふしぎな石展」を10月下旬より図書館1Fロビーとブックウォールにて実施しています。

宮沢賢治は大正から昭和初期にかけて活躍した岩手県出身の詩人・童話作家です。『銀河鉄道の夜』や『注文の多い料理店』をご存じの方も多いかもしれません。そんな宮沢賢治と「石」とは、あまり結びつかない方も多いかもしれませんが、実は彼の文学作品には鉱物や岩石が数多く登場しています。彼は盛岡高等農林学校で地学を学び、日本各地の地質図を作成するなど地質学者としての一面もあります。


「溶岩」「金剛石」「硅板岩」…。賢治の文学作品には石の名前や地学の専門用語が使われているものが多数あります。今回の企画では『銀河鉄道の夜』『楢ノ木大学士の野宿』『春と修羅』などの作品を取り上げ、作品に登場する鉱物や岩石などの実物の標本を、作品とともに紹介します。たとえば『楢ノ木大学士の野宿』は、主人公の宝石学者の楢ノ木大学士が、山に分け入りオパールを探して3日間野宿し、夢に翻弄される話でたくさんの岩石・鉱物が登場します。野宿をするのが好きで、鉱物が大好きな楢ノ木大学士には、賢治自身が投影されていると言われています。ロビーのガラスケースに賢治が惹かれた鉱物や岩石の実物を展示していますので、みなさんもその魅力に遭遇されてみてください。
(図書部t)

「宮沢賢治とふしぎな石」展  2015年2月27日(金)まで 東京経済大学図書館1階にて
  *賢治の詩などの作品を添えた鉱物標本を無償配布中(第2弾準備中です)
  *1月に展示入れ替えを予定しています(ちょっとキレイなものを増やします!)

【参考】

 国立科学博物館 石の世界と宮沢賢治
 

2014年12月23日火曜日

大岡玲先生のテレビ・ラジオ出演情報

大岡玲先生(「日本文学Ⅱ」ほか担当、本学図書館長)のテレビ・ラジオの出演情報をおしらせします。

12月28日(日曜日)5時〜6時(午前です!お間違えなく)にTBSテレビの「検証番組TBSレビュー」に出演されます。TBSの番組だけではない、放送全般の倫理に関する検証番組の「年末特集拡大版」とのことです。

朝寝坊の私は、録画して見たいと思います。

また、1月にNHKラジオ第一「ラジオ深夜便」に3週にわたり出演され、「名作の読み方」コーナーにおいて『南総里見八犬伝』についての話をされます。放送日時はすべて水曜日の14日・21日・28日で、それぞれ午前零時台です。

ラジオはネットでも聞けるものが多くなって、再び身近なものになりつつありますね。(NHKネットラジオ らじる★らじる)。

こちらも放送を楽しみに待ちましょう!



2014年12月21日日曜日

TKUサイエンスカフェ「ブラックホールの謎に迫る!」

 自然の構造と科学論担当の榎です。 1216日(火)に学習センターにて、今年度2回目の「TKUサイエンスカフェ」が開催され、25名近くの学生・教員が参加しました。サイエンスカフェは、ケーキやコーヒーを楽しみながら、最先端の科学を気楽に学ぶことができる場で、本学では2011年度から毎年数回ずつ開催されています。


 今回は、国立天文台の野村真理子さんが「コンピュータシミュレーションで迫るブックホール天体の謎」というタイトルでお話しされました。ブラックホールは、その名の通り、宇宙空間に空いた穴のような天体で、光も物質も、一度ブラックホールに吸い込まれると外へ出ることはできません。しかし、宇宙には、明るく輝き、物質をジェットとして放出しているブラックホール天体が多数見つかっています。ブラックホールは、光も物質も吸い込んでしまうのに、なぜ、輝いたりできるのでしょうか?今回のカフェでは、ブラックホールについて分かりやすく解説された後、このブラックホールが輝く謎にコンピュータシミュレーションを使って迫っている最先端の研究が紹介されました。それだけでなく、野村さんが作成にかかわったスーパーコンピュータ紹介の漫画の話や、ハワイ島のすばる望遠鏡に観測に行った時のエピソードも語られ、楽しいカフェとなりました。

2014年12月19日金曜日

第11回読書会―東浩紀『動物化するポストモダン』


「外国史Ⅰ」ほか担当の高津です。

1216日(火)に、読書会が開催されました。私がファシリテーターを担当し、東浩紀『動物化するポストモダン オタクから見た日本社会』(講談社2001年)について語り合いました。

私は2年前に初めてこの本を読みましたが、私よりも学生の皆さんの方のための本だと思いました。オタク的なポストモダンという日本社会を日々生きている皆さんが、この本に書かれていることをどう思うか、皆さんに自由に議論していただきたい、私はただそれを聞きたい―、このように考えて読書会に臨みました。

とても有意義で楽しい会となりました。10人以上の方々が集まり、オタクの立場から、非オタクの立場から、著者の東浩紀のファンという立場から、皆さん大いに語って下さいました。アニメやゲームの「キャラ萌え」や「二次創作」、「データベース消費」など、本で論じられているテーマだけでなく、SNS、モバゲー、さらにはアイドル(アイドルとアニメキャラはともに「2.5次元の存在」だそうです)といった、本では取り上げられていないテーマにまで話が広がり、途中では先日の衆院選挙の話題も飛び出すなど議論は白熱。私はタジタジでした。最後は時間切れになってしまいましたが、「まだヴォーカロイドについて話していない」という声もあがり・・・すみません。おじさんは勉強が足りなかったです。
参加者、大いに語る!個性的なオタク論が次々に飛び出し・・・タジタジな私(左)
 歴史を勉強している私としては、皆さんが「ふつー」に生きているオタクな日常が、実は戦後から現在までに至る社会的・文化的変化―「理想の時代」から「虚構の時代」を経て「動物の時代」へ―の中で生成されたものであることを認識し、これまでとは違った目で皆さんの大好きなアニメやゲーム、アイドルを見るきっかけとなってくれればとも思っていたのですが、参加者の皆さんはいかがでしたでしょうか。続きは別の機会に。「続編(『ゲーム的リアリズムの誕生 動物化するポストモダン2』)でも読書会をしたい」と言って下さった方、どうもありがとう!是非またやりましょう!

お疲れ様でした。是非続きをやりましょう!
第10回読書会にレポート(有川浩『フリーター、家を買う。』)
第9回読書会のレポート(星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
第8回読書会のレポート(ニーチェ『喜ばしき知恵』)
第7回読書会のレポート(M.サンデル『これからの正義の話をしよう』)

2014年12月17日水曜日

全学共通教育センター ゼミ報告会レポート

 自然の構造と科学論担当の榎です。12月13日(土)に、全学共通教育センターに所属する教員が担当する「総合教育演習」のゼミ報告会が開催されました。今年度は10ゼミが参加し、発表総数は17件にのぼりました。総合教育演習のゼミのテーマは非常に幅広く、そのため、発表は各ゼミの個性が光るものとなっており、大変面白い報告会となりました。このような報告会で他のゼミの発表を見ることは、自分たちのゼミ発表を振り返ることにつながるので、今後のより良いゼミ活動に活かしてくことができるようになると思います。

 なお、今年度は、優秀な発表だった上位3ゼミの表彰が行われました。審査の結果、大久保ゼミ(生物学)、高津ゼミ(外国史)、久川ゼミ(日本語学)の3ゼミが表彰されました。


2014年12月14日日曜日

留学生との交流クリスマスパーティ


スピーチコンテストの様子
留学生アドバイザーの相澤伸依です。12月13日(土)の夕方、国際交流チューターが企画、運営するクリスマスパーティが開かれました。

この日の午後には、英語スピーチコンテストと留学生による日本語スピーチコンテストが開催されました。クリスマスパーティは、このスピーチコンテストの打ち上げ懇親会として企画されたものです。

生協食堂でコンテストの参加者や応援に来た学生たちが集まり、パーティが始まりました。まずは各コンテストの優秀者の表彰式が行われました。乾杯の後、チューターたちが選りすぐった食事を楽しみつつ、しばし歓談。一段落したところで、ビンゴ大会で盛り上がりました。ノリノリのチューターの仕切りで、みんなハイテンションでゲームを楽しみました。
サンタスタイルでビンゴ中。
多くの方に参加いただき、多めに用意したはずのお料理もきれいになくなりました。閉会後は、参加者が手伝ってくれて片付けもさくっと終了。学生たちがあっという間に仲良くなって、チームワークを発揮してくれました。

今回のクリスマスパーティのように、東経大では、学内で国際交流できるイベントがたくさん準備されています。いろんな国の人と交流したい方は、学内のポスターや一号館二階の国際交流課の案内をチェックしてくださいね。

1月の定期試験明けには、今年度最後となる国際交流チューター企画の日帰り旅行が予定されています。参加者に楽しんでもらえるよう、チューターたちが案を練っている最中です。どうぞお楽しみに!

2014年12月12日金曜日

選書展示「恋愛を考える」


 倫理学とフランス語担当の相澤伸依です。

本日より、図書館一階ブックウォールCにて「恋愛を考える」という特集展示を始めました。今回は、初めて学外ゲストを迎えて、選書を行いました。日本の近代思想を専門とする宮野真生子先生(福岡大学)と日本倫理思想史を専門とする藤村安芸子先生(駿河台大学)、そして私の三人で、哲学、文学、歴史学、心理学、社会学、生物学と様々な分野から恋愛を考察した本を集めました。

図書館スタッフ作成の素敵なPOP
クリスマス、バレンタイン、はてはホワイトデーと、恋愛がもてはやされる季節に、読書を通して「恋愛とは何ぞや」と考えてもらいたい。そういう意図をこめた展示になっています。恋愛をエンジョイ中の方、恋愛に悩み中の方、恋愛と無縁の方、それぞれ楽しめる本を揃えました。ぜひ書棚をご覧ください。




関連して、年明け1月9日(金)の16時20分から18時にかけて、恋愛を考えるブックトークイベント「恋する〈私〉を哲学する」を開催します。選書に加わってくださった宮野先生は、今年、『なぜ、私たちは恋をして生きるのか』(ナカニシヤ出版)という本を出版されました。そこで、宮野先生をゲストにお迎えして、「恋する私は本当の〈私〉?」というタイトルで講演していただきます。講演を受けて、同じく選書してくださった藤村安芸子先生と私で講演内容を深める質疑応答を行い、最後は参加者も交えてディスカッションを行う1時間半です。

イベントは、図書館一階のブラウジングスペースで開催します。申し込み不要、出入り自由ですので、お気軽にご参加ください。一緒に恋愛に思いを巡らせましょう!

2014年12月8日月曜日

学長とお仕事小説を読む―第10回読書会―

 倫理学とフランス語担当の相澤伸依です。本日、第10回読書会が開催されました。

ガラス張りの
明るいブラウジングスペースで。
3限の終わった14時半過ぎ、図書館ブラウジングスペースに学生7名が集合しました。みんなの手には有川浩『フリーター、家を買う。』が握られています。今回の読書会では、経済小説評論家でもある堺憲一学長がファシリテーターとなって、ドラマ化もされたこの人気小説を読みました。

付箋がたくさん、メモもたくさん。
しっかり読み込まれたお題本。


堺先生は、まず学生に「小説を読んで心に残ったことを二点、メモしてみましょう」とおっしゃいました。少し時間を置いてみんなが書けたところで、今度はプレゼン開始。プレゼンでは、自分が心に残った点を二つ発表し、その共通点を取り出すことが参加者に求められました。一人ずつ、順番に発表していき、堺先生はそれぞれにコメントを付していかれます。この作業を通じて、参加者が小説をどのように読んできたが理解できるだけでなく、自分が考えたことの整理の仕方やグループで話す時のテクニックを知ることができました。

プレゼンの仕方など、使える情報
もりだくさんの堺先生のお話。
みんなたくさんメモしていました。
この小説は、就職した会社を短期間でやめてフリーター生活を送る主人公が、家族やバイト仲間との関わりを通して自分のあり方を見直し、再就職を果たすまでを描いています。参加者からは、「仕事のやりがいをどう見出していくのか?」や「社会に必要とされる人間になるとはどういうことか?」という問いが出されたので、その点についてみんなでディスカッションしました。参加者には、就職活動を終えた四年生や院生もいれば、就活を控えた三年生、まだ時間のある一年生、二年生もいました。各自、自分の経験をふまえつつ、意見を出してくれてお互い刺激になったようです。

お仕事小説読書会を通して、参加者の就活への意識や、仕事への期待が高まったように見受けました。堺先生お薦めの経済小説・お仕事小説は図書館一階の課外図書の棚に配架されています。働くことについて考えるきっかけとして、多くの学生に読んでもらいたいと思います。

〈関連リンク〉
第9回読書会のレポート(星新一『人民は弱し 官吏は強し』)
第8回読書会のレポート(ニーチェ『喜ばしき知恵』)
第7回読書会のレポート(M.サンデル『これからの正義の話をしよう』)
第6回読書会のレポート(小田中直樹『フランス 7つの謎』)
第5回読書会のレポート(辻村みよ子『代理母問題を考える』)
第4回読書会のレポート(大野更紗『困ってるひと』)

2014年12月4日木曜日

全学共通教育センター ゼミ報告会のご案内

来る12月13日土曜日の12時から、5号館地階E002教室にて「総合教育演習」 ゼミ報告会を開催します。全学共通教育センター所属の教員のゼミ(「総合教育演習」)のうち10ゼミが参加、17発表を予定しています。発表題目は以下の通りです。気になるテーマはありますか?

拡大します(Click here! )


報告会は、本学在校生はもちろんのこと、ご案内を差し上げている、保護者、高大連携協定校および推薦入学指定校の関係者を中心に公開していますが、当日オープンキャンパスも開催されますので、それ以外の方もご自由に参観ください。長丁場ですが、申し込み不要、出入り自由です。当日は同じ建物で、経営学部のゼミ発表会も行われており、両方の会場に自由に出入りして聴講することもできます。

ゼミ選び中の在校生の方、大学での学びに興味のある方、多くのご来場をお待ちしています。

参考
総合教育演習 ゼミ報告会 予告編
「総合教育演習」ゼミ研究報告会のご案内(2013年度のもの)


2014年12月3日水曜日

国際子ども図書館見学ツアー



倫理学とフランス語担当の相澤伸依です。図書部の一員として、12月3日に行われた図書部・図書館共催イベント「国立国会図書館 国際子ども図書館見学ツアー」に参加しました。今回は、このツアーの様子をレポートしたいと思います。




国際子ども図書館は、2000年に開館した、国立の児童書専門の図書館です。絵本を始めとする児童書の収集、保存、提供を行い、子どもの読書を支援する役割を担っています。「国際」と付くように、日本国内はもちろんのこと、海外の児童書も広く収集しています。

快晴の昼下がり、上野駅前に学生5名と教職員4名の参加者が集合。10分ほど上野公園内を歩いて、子ども図書館に到着しました。建物を一目見て、参加者みんな歓声を上げました。この図書館は、明治期の洋風建築を改修した、とても素敵な建物なのです(1906年/明治39年に帝国図書館として建築、1929年/昭和4年に増築)。館内も明治の建築をそのまま活かした内装となっていて、とてもおしゃれ。ガイドツアーでは、図書館本来の役割とともに、館内の建物としての見所も解説していただきました。

扉も階段も素敵です。
改修前は外壁だった壁。










閲覧スペースは天井の高い
三階建て、書庫スペースは
収容量を増やすために7階
建て構造になっています。
三階建ての館内は、一階が子どもが児童書を閲覧し、気軽に本と親しむためのスペース、二階は研究・調査のための資料室、三階はテーマを設定し児童書の展示を行うミュージアムとなっていました。

盛りだくさんのツアーの中から、興味深かったことを一つご紹介します。一階の子どもを対象とする閲覧室では、二種類の配架方法が取られていました。文字の多い読み物は作家名順に並べる一方、絵本は絵を描いた人の名前順に並べているとのこと。なぜか? 絵本を読んだとき子どもの印象に残るのは当然絵です。そこで、お気に入りの絵が添えられた本が探しやすいように、絵を描いた人名順を採用しているとのことでした。この他にも展示の仕方や情報提供の仕方など、本を探す子どもや親が手に取りやすいよう、様々な工夫がされており、図書部の活動のヒントをもらうことができました。

引き戸が一般的だった
明治時代。押して開ける
この扉には「おすとあく」と
わざわざ書いてあります。
一時間のツアーを通して、参加者は子ども図書館の魅力を知ることができました。素敵な建物で絵本を眺めているだけで、一日過ごせそうです。上野に出かける機会があったら、ぜひ足を伸ばしてみることをお勧めします。

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