2016年12月6日火曜日

2016年度「総合教育演習」ゼミ報告会のご案内

 来る12月10日(土)の13:30より、1号館3階A309、A310教室にて、「総合教育演習」ゼミ報告会を開催します。「総合教育演習」は、全学共通教育センターが開講しているゼミで、人文学から社会科学、そして自然科学まで、幅広いテーマを対象とする個性豊かなゼミがそろっています今年度のゼミ報告会には11ゼミが参加、19タイトルの発表が予定されています。
 

 
 このゼミ報告会は、本学在学生はもちろんのこと、在学生の保護者や、高校の先生・生徒・保護者の方々にも公開しています。申し込み不要、出入り自由です。当日は、オープンキャンパスが開催されています。また、経済学部のゼミ研究報告会(6号館3階)と経営学部のゼミ研究報告会(1号館3,4階)も行われます。これらの会場に自由に出入りして参観することもできます。

 ゼミ選び中の在学生の方、大学での学びに興味のある方、多くのご来場をお待ちしています。

2016年11月29日火曜日

【学問のミカタ】さわやかさを誘う「おネエことば」

 ジェンダー論担当の澁谷です。先日、学生さんが、「おもしろいですよ!」といって、『水玉ハニーボーイ』(池ジュン子作、白泉社)という少女マンガを薦めてくれました。

第一研究センター前の美しいイチョウ並木
2016年11月14日に撮影
高校を舞台としたラブコメディです。お菓子作りや裁縫が得意で「女子力の高さ」では誰にも負けない、「おネエ」口調の男子・藤司郎と、剣道部主将で「侍」の異名を持ち、周囲からの信頼も厚い女子・仙石芽衣が主役です。
 今回のテーマは「言葉」ですから、藤くんと仙石さんがどのように話すのかを見てみましょう。ひとりの女子中学生を取り囲み、複数の男子高校生が彼女を困らせていました。そこに藤くんと仙石さんがやってきて、彼女を助けてあげたあとの発言です。

 仙石「〔中学生に〕うちの学生が迷惑を掛けた」
 藤 「〔中学生に〕一応 職員室なら正面の階段上がったところよ」
 仙石「藤君も怪我無いな? 家庭科部が何故ここに」
 藤 「スポンジ焼けるまで休憩してたの」
                                   (『水玉ハニーボーイ』2巻5話)

 藤くんの語尾は「~よ」、「~の」であり、「おネエキャラ」にふさわしいものとなっています。仙石さんの断言口調もまた、「侍キャラ」を表現するものになっています。
 藤くんは仙石さんのことが好きで、告白もするのですが、仙石さんは、今は恋愛にうつつをぬかす時ではなく、修行の時であるとして、交際を断ります。が、なにかと二人は行動を共にし、距離が縮まりそうになったり、かと思いきや邪魔者が入ったり……と、読者をヤキモキさせながら、時にギャグも交えつつ、ストーリーは進みます。
 一読しての感想は、「なんだか、さわやかな作品!」というものでした。たしかに、藤くんがあくまで「異性愛者」であることが強調されている点や、悪事を働く男性を追っぱらうために藤くんが採用する手法が「あたかも『同性愛者』であるかのように迫り、怖がらせる」である点については、「うーん」と思ってしまいました(前者は異性愛至上主義=ヘテロセクシズムを、後者は同性愛嫌悪=ホモフォビアを再生産する表現に私には見えました。もちろん、作者にその意図がないことは承知です)。
 が、日本語学者のクレア・マリィ氏が『「おネエことば」論』(青土社)で分析していた2008年放送のバラエティ番組にくらべれば、このマンガにおける「おネエ」の表象のされかたは、ずっと「さわやか」だと思ったのです。

 その番組は、メイクアップアーティストの「おネエキャラタレント」が、メイクや服装がイケていない芸能人を改造する内容でした。
 マリィ氏が分析したこの番組の特徴のひとつとして、「おネエキャラタレント」が脇役におさまっている、というものがあります(70頁。以下頁数だけが示されているものは『「おネエことば」論』のもの)。
 氏は、「オネエキャラことば」を「役割語」として位置づけています。役割語とは、「ある特定の言葉遣い(語彙・語法・言い回し・イントネーション等)を聞くと特定の人物像(年齢、性別職業、階層、年代、容姿・風貌、性格など)を思い浮かべることができるとき、あるいは特定の人物像を提示されると、その人物がいかにも使用しそうなことば遣いを思い浮かべるとことができるとき、そのことば遣い」のこと。文学作品では、主人公は標準語を使い、脇役は役割語を使います。役割語を語らせることで、脇役がどのような性格の人間であるかを表現します(金水敏『ヴァーチャル日本語――役割語の謎』岩波書店)。
 その図式でいけば、上記のバラエティ番組では、「普通の人代表」の男性MCが主役であり、「おネエ言葉をあやつる」おネエタレントたちが脇役となります(69-70頁)。脇役であるということは、つまり、周辺化されているということです。決して、中心=「普通」ではないポジションに位置づけられています。
 が、『水玉ハニーボーイ』は違います。役割語としてのおネエことばを駆使しながらも、藤くんはまごうかたなき主役。侍チックな役割語を語る仙石さんも、もう一人の主役です。
 なおかつ、ふたりは周囲から肯定され、信頼されています。藤くんは「藤って女子より女子力高いよな」、「ああ 藤が女だったら 俺 惚れてた」と男子から肯定的に語られ、お菓子作りが上手くなりたい女子から教えを請われています。仙石さんも、重い荷物を持っている人をさりげなく助けたり、痴漢をつかまえたりして、周囲からの厚い信頼を得ています(1巻0話)。
 役割語を話しながらも、脇役として周辺化されているのではなく、主役としてコミュニティの中心にいる。その表象のされ方が、上記のバラエティ番組とは異なり、「さわやか」な読後感を誘うのです。
 版元のサイトには、新刊発売を祝うための特設ページもできて、たいへん人気の作品のようです。『水玉ハニーボーイ』の今後の展開が楽しみです。

【学問のミカタ】11月のテーマ「言葉」
・経済学部ブログ「数字で伝わるもの、数式で伝わるもの
・経営学部ブログ「キラメって?
・コミュニケーション学部ブログ「言葉
・現代法学部ブログ「表現の自由~自分の表現がどのように伝わるか考えよう~

2016年11月10日木曜日

TKUサイエンスカフェ「コスモスを秋桜と書く理由、秋桜が春に咲く理由」

「地球の科学」他担当の新正です。11/10(木)に、2016年度2回目の「TKUサイエンスカフェ」を学習センター講座スペースにて開催しました。

今回は、宮城教育大学の小林恭士さんに「コスモスを秋桜と書く理由、秋桜が春に咲く理由」というタイトルのお話をいただきました。冒頭でサイエンスカフェの始まりについて手短に解説されたあと、本編に入ります
※サイエンスカフェは1990年代の後半にイギリスのリーズやフランスのパリで始まったとされます。それぞれの形式の違いについても触れられました。



まず、植物の光周性ということで、限界暗期を超えて夜が長くなると花芽が形成される「短日植物」、その逆の「長日植物」について説明され、さらに花芽の発生を誘導する花成ホルモン「フロリゲン」について1936年の提唱からご自身が関わられた2007年の発見に至るまで解説されました。

ここで閑話休題。カフェなのでお茶とお菓子で一休みです。

気分転換の後、フロリゲンの本質である遺伝子の話、またなぜ夜の長短に関連して遺伝子が働く(働かない)かについて、植物の体内時計の話もいただきました。遺伝子の話を踏まえて、最後に「秋桜が春に咲く理由」の種明かしがされました。

質問については、配布したコメントシートに記入されたものを回収して、丁寧に答えていただきました。終了後も興味のある学生が残って質問をしているのも、サイエンスカフェでしばしば見られる光景です。

サイエンスカフェは、喫茶を楽しみつつ、最先端の科学研究を気楽に学ぶことができる場で、本学では、2011年度から毎年複数回開催しています。日本では2005年頃から広まり、様々な所で開かれています。例えば、「サイエンスカフェ・ポータル」などに開催情報がまとめられています。皆さんもぜひ参加してみて下さい。


・これまでのTKUサイエンスカフェのレポート
 2013年度第1回 「この夏、天の川銀河の超巨大ブラックホールに接近するガス雲の運命
 2013年度第2回 「宇宙は何からできている?
 2014年度第1回 「折り紙の数学
 2014年度第2回 「ブラックホールの謎に迫る!
 2015年度第1回 「コンテンツの生まれかたと受けとりかた
 2015年度第2回 「豚インフルエンザについて
 2016年度第1回 「ブラックホール、ビッグバン、そして次元 ~人に話したくなる宇宙のおはなし~」

2016年11月1日火曜日

三鷹・星と宇宙の日2016

 「自然の構造」他担当の榎です。1022日(土)、私のゼミ(総合教育演習の「天文ゼミ」)で、国立天文台三鷹キャンパスの特別公開三鷹・星の宇宙の日2016」の見学に行きました。

正門にて
   国立天文台三鷹キャンパスは「常時公開」されており、常時、一部施設の見学ができます。また、月に2回、望遠鏡で天体を見る「定例観望会」が開かれています。これらとは別に、年に一回、特別公開日である「三鷹・星と宇宙の日」が設定されています。この時には、通常は見学できない施設も公開され、研究部署ごとの研究展示や、講演会、天体観望会などが行われます。
  
 今回、「先端技術センター」では、天体観測装置を作成するための様々な工作機械等を見学し、技術者の方々のお話を伺うことができました。天文台の敷地の奥の庭では、アンテナを自分の手で動かして、太陽が発する電波をキャッチする体験もしました。

太陽からの電波をキャッチ
先端技術センター
メカニカルエンジニアリングショップ
 
太陽塔望遠鏡
この塔が望遠鏡の筒の役割を果たす

 また、通常は公開されていない「太陽塔望遠鏡」の内部の見学もしました。これは、1930年に完成した、アインシュタイン塔とも呼ばれる、太陽の分光観測をするための施設で、国の登録有形文化財にもなっています。建物全体が一つの望遠鏡となっているという特殊な構造をしています。
 
 これらの他にも、いろいろな施設を見学をしたり、天文データセンター」が特別公開日に毎年行う「銀河探しゲーム」にも挑戦したり、プロの天文学者から直接お話を伺ったりしました。晴れていれば、天体観望もできたのですが、あいにくの天気でそれは叶いませんでした。自然を相手にしていると、人間の考えた通りに物事は進みません(人間相手でも、なかなか進みませんが)。そういったことを実感することも、天文ゼミの学習の一環だと考えています。


三鷹・星と宇宙の日2015見学報告
三鷹・星と宇宙の日2013見学報告

2016年10月16日日曜日

海外ゼミ研修 ~ベトナムでの学生交流プログラム

 英語科目担当の関昭典です。私のゼミ(総合教育演習)では、毎年長期休暇中に、東南アジア・南アジアでの二週間の学生交流研修プログラムを実施しています。これまでに、ネパール、インド、ベトナム、タイで実施してきました。

 プログラムの特徴として、こちらの学生とほぼ同数の現地の大学生が二週間寝食を共にし、英語を共通言語として活動に取り組むこと。また両国の学生が主体となって活動内容を検討し実施している点にあります。

 今年度は14名のゼミ生がベトナム、ホーチミン市にあるHoa Sen大学の学生と共にプログラムを実施しました。具体的には、昨年国連総会にて採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を交流テーマに掲げ、有識者の講義を受けたり、フィールド調査をしたり、貧困地域にゴミ箱を設置したりしながら、交流と学びを深めました。

 

 さらにベトナム戦争博物館調査後のグエン・ドク氏(枯葉剤の被害者、日本では「ベトちゃん、ドクちゃん」として有名)講演会、それに続く夕食会は、戦争や環境破壊が引き起こす現実のみならず、日越友好について考えるよい機会となりました。ゼミ生はドク氏と大変仲良くなり、「次に日本に行く際にはぜひ関ゼミの皆さんの企画するイベントに参加したい」とおっしゃってくださいました。



 実はドク氏はベトナム戦争で使用された枯葉剤の被害者代表として今月来日し、広島で安倍首相と面談するのだそうです。それに合わせて本学への来学をご検討くださいましたが、スケジュール調整がうまくいきませんでした。しかし、近い将来に、「ドクちゃん」講演会を実施したい、とゼミ生は張り切ってきっています。

 例年、ゼミ研修を通じて英語の重要性を痛感するゼミ生は、帰国後に本気で英語学習に取り組むようになります。昨年のゼミ生の場合、その半数がTOEIC800点以上のスコアに到達しました。今年の学生はどうなるか楽しみです。

関連リンク
ゼミする東経大 第19回インタビュー 関昭典准教授
東京経済大学 国際交流のページ

海外ゼミ研修報告
海外ゼミ研修 ~英語で日本文化を発信~ (2015年度 カレイラゼミ)
海外ゼミ研修 in Hawaii (2013年度 新正ゼミ、榎ゼミほか)
海外ゼミ研修 in Hawaii(続)
海外ゼミ研修 in Hawaii (続々)