2024年3月14日木曜日

横畑知己教授の“最終講義”

 2023年3月12日、全学共通教育センターのコロキウムが開催され、今年度で退職される横畑知己教授の“最終講義”が行われました。教育史を専門とされる横畑教授は1991年に着任後、実に32年間、本学での教育に携わってこられた先生です。教職課程もご担当されていたので、多くの教育者も育成されました。

 コロキウムでは、ご自身の母校である東京教育大学が閉学となり、筑波大学に変わっていく過程を例に挙げながら、今、そして今後の大学教育について言及されました。また、資料として1993年に開講された科目のシラバスや学生のコメントを引用しながら全学共通教育センターにおける教養教育の歴史についても語られました。

 その後、横畑教授と共に歩んだ高井良センター長、大岡教授、麻生教授らからの言葉もあり、全学共通教育センターの成り立ち、現在に至るまでの色々な出来事にも話題が及び、若手、中堅も交えて賑やかなやりとりが続きました。

 今後も、大学にお運びいただけるとのこと。私の専門であるスポーツにも造詣が深い横畑教授と、日本におけるスポーツの歴史、オリンピックや体罰の問題などこれからも色々とディスカッションさせていただくのを楽しみにしています。

 以上、「スポーツの科学」他担当の遠藤愛がレポートいたしました。

横畑先生への花束贈呈



2024年2月8日木曜日

2023年度「総合教育研究発表会」レポート

 2月2日(金曜日)、2023年度の「総合教育研究」の発表会が開かれました。東経大では語学・体育・教養科目等を担当する全学共通教育センター所属の全教員が、各自のゼミ(総合教育演習)を開講しています。そこで学んだ学生のみなさんが、自身の興味をさらに発展させたい場合、卒業研究/制作にあたる「総合教育研究」を選択できます。この発表会は、その「研究」をまとめて1月に提出された論文や制作の成果について、お披露目する機会として、センター例年の公式行事になっています。

 当日は寒さが身にしみる曇り空の一日でしたが、阿部先生竹内先生のご指導を受けた以下の学生から、いずれも熱のこもった発表をいただきました。

発表(1)現代法学部4年生「JavaScriptによるターン制弾幕シューティングの開発」〔阿部ゼミ

発表(2)経営学部4年生「子産数が少ないホッキョクグマとパンダの個体数の推移」〔竹内ゼミ〕

 お一人目の発表は、ゲーム制作を通じてプログラミングの実習をしている数学の阿部先生のゼミでの研鑚の成果でした。「弾幕シューティング」はテレビゲームの世界では古典といってよいものですが、今回はそれを、ターン制にしてみたというオリジナリティにあふれたものでした。日誌形式の制作記録をブログ上で公開し、苦労や“売り”のアイデアを深めていく過程の詳細な記録も、卒業制作の一環として回覧されました。フロアの学生に、このゲームを実際に操作してもらう「実演」の機会も設けられました。

 お二人目の発表は、熊が世界的な開発や気候変動の影響をどのように受けているのかについて、統計学の竹内先生のゼミで進めたデータ収集と分析にもとづく成果でした。熊のなかでも棲息範囲が比較的狭い北極圏のホッキョクグマと中国のパンダを対象にして、それぞれの個体数の増加が有意なものか、統計的な処理によって分析しています。併せて、個体数の増加に果たした政府の政策の意義について、各国政府が保護に投下した費用との相関や有効性についても検討されました。

 例年、1人あたりの発表時間は質疑応答を含めて30分と設定されていますが、制作秘話やデータ収集の苦労、数値の意味するところの難しさなど、すぐに時間がオーバーする質疑の弾みようでした。

 今回は偶然、両報告とも理系的な学習をふまえた制作・論文の内容発表でした。もっとも、両報告を聞いてみると、いわゆる文系・理系の区別自体が、私のようなオジサンの古くさい二分法だと気づかされます。ゲーム制作はキャラクターデザインや音楽など、アートのセンスとその総合性が欠かせません。統計分析の動機にも、気候変動に直面する動物の権利をめぐる問題や対策の意義如何が念頭にあるわけですから、データサイエンスに求められるモラルサイエンスの側面といったものがうかがえます。いずれの報告からも、将来を担う世代が文理融合的な知のセンスを自分のものとして育っていることを、ひしひしと感じました。

 こうした研究に打ち込めるのも、文理にわたる幅広い分野の教員たちが開講している総合教育演習/研究の多様性のゆえだと言えるでしょう。そのような学びの魅力は、次年度の卒業研究の参考のためにと会場に来ていた3年生の方にも、質疑を通じてしっかり伝わったようです。質疑のなかでも、発表者から、就職活動の面接の際、卒業研究で取り組んだことをしっかりアピールできたことも話題になりました。

 発表された学生の皆さん、お疲れ様でした。今回の研鑚と成果に自信をもって、今後の人生を歩んでください。以上、「日本史Ⅱ」他担当の戸邉秀明がレポートいたしました。


・関連リンク


2023年12月22日金曜日

カレイラゼミ×英語アドバンストプログラムの地域貢献活動「英語で遊ぼう!」

  2023年12月18日(月)、東経大の学生が、英語による地域貢献活動「英語で遊ぼう!」を行いました。この活動ではカレイラゼミの学生と英語アドバンストプログラム生の希望者合計18名が学生ボランティアとして参加し、地域の子どもたちに英語で日本の遊びを紹介しました。


 今回の遊びは、かるた、はねつき、おりがみ、すごろく、お茶です。エリック・シワック先生も参加して遊び方を英語で紹介しました。学生ボランティアは、事前に練習した成果を発揮して「Fold the paper into half(紙を半分に折って)」「Rotate the chawan clockwise(茶碗を時計回りにまわして)」などと英語で説明を行いました。子どもが上手にできると「Good job!」「Great!」という声が飛び交い、にぎやかな会になりました。子どもたちは学生ボランティアのお兄さんお姉さんがすっかり気に入った様子でした。


 英語アドバンストプログラムでは、学生に実践の機会を提供するために、これからも英語を用いた活動や海外との交流活動を行っていきたいと思います。この記事は英語アドバンストプログラム担当の小田登志子が執筆しました。

■「英語で遊ぼう!」の取り組みは、2023年度地域連携センター国分寺周辺地域活動による助成を受けて行われました。

<関連記事・リンク>

2023年12月11日月曜日

2023年度「総合教育演習ゼミ報告会」レポート

  12月9日(土)に、全学共通教育センターに所属する教員が担当する「総合教育演習」のゼミ報告会が開催されました。今年度は、8ゼミが参加し、報告数は17件にのぼりました。当日は、経済学部・経営学部の「演習」のゼミ研究報告会も併せて開催されました。


 総合教育演習のゼミのテーマは、人文学・社会科学・自然科学などなど非常に幅広く、そのため、報告会の発表は、内容・スタイル共に各ゼミの個性を反映した、多彩なものとなりました。2教室に分かれての発表となりましたが、最後には参加者が一堂に会する終了式も行いました。終了式では、発表の振り返り、参加者の学生さんたちから参加した感想をコメントをしてもらいました。

 ゼミ報告会で、自らが学んだことの成果を発表すること、そして他のゼミの発表を見て、質疑応答に参加することは、自分たちのゼミ活動を振り返ることにつながります。この経験を今後に活かしていってほしいと考えます。「自然の構造」他担当の榎基宏が記しました。


*参考記事

2023年8月4日金曜日

プロテニスプレーヤー今井慎太郎選手のゲスト講義:7月13日スポーツの科学a、遠藤愛ゼミ

 スポーツの科学a、総合教育演習「スポーツコーチング」担当の遠藤愛です。

 7月13日(木)の授業では、現役プロテニスプレーヤーの今井慎太郎氏をお招きして、小学生時代から大学時代を経てプロ選手になるまでの過程や、プロ選手としての生活やトレーニングについて話していただきました。今井選手は、2022年の全日本選手権男子シングルスで優勝した全日本チャンピオンであり、通常であれば世界ツアーの転戦でお忙しいところですが、今年は足首の手術を受けてリハビリ中のため講義をお願いしたところ、ご快諾いただきました。

 プロテニスプレーヤーの多くは、高校卒業後にプロ転向する選手が多い中、今井選手は早稲田大学時代に学生チャンピオンとなり、大学卒業を機にプロ選手としての活動を開始しました。大学選択に向けての決断や大学時代にどのように競技に打ち込んだのか、競技を通して得た仲間のこと、プロ転向直後は、収入も安定せず、経済的な不安を抱えながら世界を転戦していたこと、昨年、念願の全日本チャンピオンとなり、目標であるグランドスラム出場を目指してリハビリに励んでいることなど、世界ツアーを転戦する様子やプロ選手としての日常など、話題は多岐に渡りました。

 学生たちからは、

・プレッシャーとの向き合い方
・一つのことにそこまで打ち込める要因は何か
・将来への不安や焦りはあるか、どのように向き合っているのか
・調子が悪い時にどのように対応するのか
・どのようなトレーニングをしているのか
・どのように身体のケアをしているのか
・一番印象に残った試合は何か
・リフレッシュする方法は何か

 など、30件近くの質問が寄せられ、その一つ一つに丁寧に答えていただきました。また、「プロスポーツ選手といえば、とても華やかな世界を想像していたが、現実はとても厳しい」、「一つのことに徹底的に打ち込めることを尊敬します」、「今、自分も自分が好きなことをやらせてもらえる環境にいるので、この環境を大切にしようと思います」、「今井さんが話してくれた通り、学生時代の仲間との繋がりや生活はかけがえのないものだから、今を大切にするというのは大事だなと改めて考えました」などの感想もありました。大学を経てプロになり、今、まさにプロとして戦っている今井選手のメッセージは、学生たちにも強く響いたようです。やはり、実際に活動している選手の言葉の威力は違います。まずは、リハビリ中にもかかわらず本学までいらしてくださった今井選手に感謝申し上げるとともに、選手自身の目標であるグランドスラムへの出場を果たしていただきたい、授業を聞いた学生たちとともに応援しています。


今井慎太郎氏と遠藤ゼミの学生さんたち

参考記事へのリンク
  (全日本選手権 大会記事)

2023年4月3日月曜日

「教養入門」と「教養ゼミ」のご紹介

 今回は、全学共通教育センターが開講する2023年度の「教養入門」と「教養ゼミ」の紹介をします。

 これらの科目は、1年次でのみ履修できる、大学4年間の学びの入門となる授業です。なお、前回の記事で紹介した「総合教育ワークショップ」と「英語で学ぶ教養」は、1年次だけでなく、2年次以降も履修できます。
 
「教養入門」
 「教養入門」は、1年次の1期に開講される、3名の教員が交代で担当するリレー講義形式の授業です。この講義では、いま求められている「教養」の意味について、各教員の問題関心や専門領域を切り口として論じるものです。以下は、2023年度に開講される教養入門のシラバスへのリンクです。
教養入門(水2)
  
「教養ゼミ」
 「教養ゼミ」は、1年次の2期に開講される演習形式(ゼミ形式)の少人数授業です(定員15名)。教員それぞれの専門分野を活かした内容で「読み・書き・プレゼンテーション」の基礎的な力を高め、2年次以上のゼミ学習の入門としています。2023年度に開講される教養ゼミの授業表題は以下の通りです(表題をクリックするとシラバスを読むことができます)。


 なお、上記は、4月3日現在の情報です。今後、変更になることもありますので、ご注意ください。

2023年3月31日金曜日

「総合教育ワークショップ」と「英語で学ぶ教養」のご紹介

  前回の記事で、全学共通教育センターが開講する特別授業を紹介しました。今回は、全学共通教育センターが開講する2023年度の「総合教育ワークショップ」と「英語で学ぶ教養」という授業を紹介します。これらの科目は1年次から履修できます。

「総合教育ワークショップ」
 様々な教養系の分野について、双方向的な授業形式で学ぶ、定員が20~40名の科目です。半期科目で、同一年度に1科目だけ履修できます。授業形式・内容とも多様なものを用意しています。2023年度に開講される総合教育ワークショップの授業表題は以下の通りです(表題をクリックするとシラバスを読むことができます)。

「物語」を分析する


「英語で学ぶ教養」
 英語を使って教養系の諸分野の内容をゼミ形式で学ぶ、定員15名の半期科目です。2023年度に開講される英語で学ぶ教養の授業表題は以下の通りです(表題をクリックするとシラバスを読むことができます)。

Introduction to Linguistics
 
 なお、上記は、3月31日現在の情報です。今後、変更になることもありますので、ご注意ください。